与えてくれる愛しい人

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 彼女や両親に恐ろしく負担を掛けたが、繁勇はこの上ない幸せを手にしたのだ、全てを償う事に何の苦もない。  しかし、我が子に『母親の愛』を与えられない事だけ、償いが利かなかった。自分の愚かなあやまちで母親をなくしてしまった我が子。繁勇は一生その罪を悔いて、払いきれない代償を払ってゆくつもりだ。それもまた、苦ではない。  愛しい我が子は存在してくれるだけで、繁勇を最高に幸福な気持ちにしてくれるのだから。
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