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その後決められたクラス分け通り俺は一組の教室に入った。
周りは殆ど知らない顔の為、皆緊張しているのだろう。あまり会話は無い。
そしてなんと、これはやはり運命だったのだろうか、天使が同じ教室にいるではないか。
一組に配属された天使は緊張しているのか、その表情が固い。さっきまで隣にいた王子様は違うクラスに配属されたのだろう。
友達のいないであろう天使に話しかける絶好のチャンス!俺は天使に向かって歩みを進めた。
「…よ、よぅ」
そして声を掛ける。
…この台詞で良かったのだろうか?もっと何かあったんじゃないだろうか…。
でも出てしまったものは仕方がない。俺は天使に向かって右手を上げて出方を待った。
あぁ天使、近くで見るとすっげぇ可愛い。やばい、俺エレクトしちゃう。
天使は一瞬驚いた様な顔をしたが、伏せ目がちな瞳をしながら言葉を返してきた。
「は、初めまして…」
声も可愛い。やべー、俺完全にエレクトしちゃった。
「俺、須山智樹」
そう言って上げていた右手を差し出した。
天使はその右手を見て少し考えていた様だがすぐに意味が分かったのか自分の右手を出してきた。
俺の手を掴む天使。握手。はぁ、天使との初めての触れ合い。
「…君、名前は?」
俺はエレクトしているのを悟られない様に笑顔で問い掛けた。
その問い掛けに、天使の可愛らしい口が開く。
「陸、浪川陸です…っ」
それが天使との初めての出会いだった。
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