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「あれ、ひどかったよね。 トモ、超ベロンベロンで、よく警備員に追い出されなかったわよ。 あの後、トモ、なかなか話してくれなかったんだけど、りょうには手紙の事、話してたのよね。」
「そうやね、シックスフラッグで聞いた。」
「トモ、りょうには、気を許してから。」
「そうかな、でも、最後までツイてへんかったよな、トモさん。」
「事故の事?」
「あの車、俺が千ドルで買う予定やってん。 ほんで、その金で、リッケンバァッカーのギター、トモさん買って帰る予定にしててん。」
「そうだったの。」
「日本やったら、高くて買われへんからって、トモさん、ビートルズ好きやん。」
「そうだね。 ねぇ、りょう、、、嫉妬って本当に好きじゃないと感じないものなんだよ。」
「突然、何やねん? でも、それって、今もそうなんやろか、、、考えてみるわ。 明日早いから、もう寝るわ。 電話ありがとう、ミチ姉。 正月開けたら連絡するわ。」
「元気でいなさいよ。」
「そっちも、元気でやってや。」
年に一、二度話す、ミチ姉との、たわいのない会話。 血は繋がっていなが、私達は三十年近く、こうした姉弟の様な会話をしている。
【 Fin 】
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