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「心の整理はできてたつもりだったんだけどな、、、こうして、カップルを見てたら、アイツが新しい彼氏と笑いながら話してる様子とかが、頭に浮かんでさ、、、そしたら、何か腹の中が落ち着かないんだ。 もう怒りなんかないんだけどな。」
その時、U2の “With Or Without You”がスピーカーからながれはじめた。
彼は、目に涙を溜めながらその曲を歌い始めた。 その様子にもらい泣きした僕も、彼と一緒に成って、大声でその曲を歌った。 何曲位歌っただろう。
僕はそれ以上飲まなかったが、トモさんは何杯も飲み続けた。
酔っぱらってフラフラしている彼に肩を貸しながら、帰りの集合場所にたどりつくと、時間に少し遅れた僕達に、ミチ姉は呆れ顔でこう言った。
「あんた達、なんでこんな所で、飲んでるのよ。 まぁ、運転するわけじゃないからいいけど、トモ、フラフラじゃない! りょう、ちゃんと、説明しなさいよ。」
「いや、、、俺が話す事じゃないから、でも、トモさん、ずっと溜めてたんちゃうかな。 しばらく元気なかったやろう。」
「そっか、、、じゃあ今晩、アパート泊めようか。」
「その方がええかも。」
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