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恋愛は嗜好品だ。
私はこの説を全力で支持したい。
だいたい、ドラマや映画のようなキラキラした恋愛は、それこそドラマに出てくるような美男美女のためのものなのだ。
少女漫画で理想とされる「白馬に乗った王子様」も、少年漫画で描かれる「女神様的ヒロイン」も、現実には まあいない。
だからこそみんな必死に理想を追求する。
そこで現実にぶつかっては失敗して、理想のハードルを下げてはまた失敗するのだ。
だからテレビでよく見る
「幸せです?」
なんていうアレは、ほとんどが作り笑顔と作り話でできているのだと思っている。
本気で幸せな人はほんの一握りで、それこそ高額な宝くじを当てるような奇跡的なもの。
もしくは、とびきりの美男美女、飛び抜けた才能の持ち主、天女や神様のような性格の人なのではないだろうか。
「この女子アナさん、可愛いですよね」
自分でも多分に捻くれた性格をしていると思うが、「地味なメガネ女が実は絶世の美女で、王子様に一途に愛される」
なんていう少女漫画オチは絶対にありえないと思っている。
なぜか?
それは私自身がその「地味なメガネ女」であるからに決まっている。
「そういえば先輩、あの女子アナさんが結婚してたの、知ってました?」
この子は後輩のアコちゃん。
華やかな彼女が私に懐いてくれているのは、職場に女性が少ないから。
さらにデスクが隣同士になれば、自ずと一緒にいることが多くなる。
ちょっと夢見がちでメンクイなのがたまに傷だが、その能力も愛らしさもピカイチな愛すべき後輩ちゃんだ。
「さあ?アンタ詳しいのね」
「ナゴさんが知らなさすぎるんですよ」
ごめんなさい、申し遅れました。
私、斎藤和といいます。
某通信系企業でNE(ネットワークエンジニア)として勤務しています。
「もう、あんなにニュースになってたじゃないですか!」
ごめんなさい、アコちゃん。
私、今朝のニュースでばっちり確認しております。
あの美人女子アナさんですよね。
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