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…目の前には、
校舎の白い壁だけがある。
だが、
頭の中で見えているのは、
檻だ。
屋上にある
、
鳥を飼うための檻だ。
ぼくではない誰かが、
左手で矢尻の先を触っている。
右手には、
弓が…ボウガンがある。
片手
で操れるような小型のものだ。
それで、
檻の中の鳥を狙っている。
屋上で待っている、
奴だ。
(またか)
奴の見ているものが見え、
聞こえるものが聞こえ、
感じるものが感じる。
手先の感覚だけでなく、
人を痛めつけている時の頭がかっと熱くなるような歓びまで感じる。
奴
の後ろに二人、
仲間が控えているのは見えないが、
いるのはわかっている。
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