第5章 ベビーシッター

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布巾を持ち上げてみると、野菜を中心にして薄く開いたラビ肉を巻き、こんがり焼いたものが乗っていた。 「旨そう!」 「ありがとうございます。頂きます」 「さて、私はベルさんの世話でもして来るかねぇ」 マギーは腕捲りをしながら、病室に向かった。 「直ぐ食べたいところだが、昼を食べたばかりだし・・・・。これは夕飯だな。ローラ、ボックスに入れておいて」 「はい!」 皿を移し替え、ローラのボックスに収納する。マギーの皿を洗い、布巾で拭き終わると、そこにイーゴが真っ赤なリンゴを数個乗せる。 「今日の森の戦利品。沢山あるから、シルビアさんにもあげて、残りは俺らのオヤツな」 「良く熟してて、美味しそうですね」 「あの森は豊かな森だな」 「通称実りの森ですから」 マギーが病室から出て来た。 「日に日に顔色が良くなるねぇ。いい男が近くに居ると、治る病気なのかねぇ?」 ローラとイーゴは顔を見合わせて苦笑する。 「イーゴさんが持って来てくれた薬と、相性が良かったみたいです」 「そうかい、何はともあれ、元気になれそうで良かったねぇ」 「はい!あの、マギーさん、これ、イーゴさんから」
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