第5章 ベビーシッター

11/13
前へ
/81ページ
次へ
「おや、リンゴかい。いい男からプレゼントなんて、私もまだまだイケるって事かねぇ。ありがとね」 そう言ってニッと笑うと、手を振って帰って行った。 今日もマギーと入れ違いにシルビアがやって来た。 「昨日帰ってから、アリスがイーゴさんの話しかしなくて・・・・、主人が少し寂しそうだったわ」 「フフフ、娘は嫁にやらんって感じですか?」 「そうそう、まだ5歳なのに、気が早いわよね~」 「マスターらしいです。あ、明日からお仕事復帰出来そうなので、よろしくお願いします」 「主人に伝えておくわ。ジャック、アリス、お家に帰るわよ!」 ジャックは母親の声で目を覚まし、アリスを揺すっているが、アリスは起きない。 「あら、困ったわね」 「俺が背負って行こうか?」 「まあ、お言葉に甘えちゃおうかしら」 花束を持ったイーゴがアリスを背負い、シルビアは空豆とリンゴが入った袋を左手に、ジャックと右手を繋いで帰って行った。 暫くして、イーゴがニコニコ顔で帰って来た。何やら箱を抱えている。 「今日のディナータイムのデザートを、お裾分けだって」 「うわぁ!美味しそう!」
/81ページ

最初のコメントを投稿しよう!

40人が本棚に入れています
本棚に追加