喜悲劇の傀儡 手記

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 わたしは元来疎まれて生きて来た。わたしがわたしを否定するより先に否定論は確立されていた。道化に成ったのも其の所為であろうことは想像に難くないものだ。わたしは他人に称賛を求めた。認めてくれと懇願した。笑ってくれ、わたしを笑ってくれ、内の己惚れを打ち消す程に!苦しさに息を詰まらせ、路に行き倒れるも、喜劇。  嗚呼まさに不条理、喜悲劇!わたしは意味も無いまま歪んだ歯車を回し生きている!可笑しいでしょう、可笑しいでしょう、大いにお笑いになるが宜しい。其れでこそこの喜悲劇の終劇は迎えられるので御座います。  わたしは傀儡、喜悲劇の傀儡。時に、土地に、他人に操られし滑稽な操り人形!糸が絡まり縊となりて、みてくれだけはお道化のまま、喜悲劇は此れにて、終劇と致しましょう。
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