32人が本棚に入れています
本棚に追加
第1話 酷い雷雨の夜だった
ハーイ、みんな元気かい?
俺様の名は、クシャヴァラ・カヴァラ。
小さな石をヒモでつなげて造られたシンプルな人形さ。
でもな、バカにしないでくれよ。こう見えて俺様は単なる人形じゃない。
その正体は、人間たちに願いを叶えてやれる魔性の人形なのだから。
願いを叶えてくれるの?
本当に?
小さな石の人形のくせに?
とまあ、こんな具合に色々な質問が飛んで来るが、俺様の返事はいつも決まっている。
「ああ、その通りだ。
オマエの願いを叶えてやるさ。さあ好きな願いを言ってみてくれ!」
とな。すると、大概のやつは遠慮せずに願いを口にしてきやがる。
そうしたら、喋ること喋ること。人間たちは欲望の塊さ! まるでマーライオンの口からジャバジャバあふれ出す噴水だぜ。
そんな奴らの話を聞いていれば、まあ大体、人間たちの願いは次の四つに分類されていく事が分かるな。
先ずは、叶えてやりたい願い。もしくは、叶えてやっても良いと俺様が思う願いだ。
恋のキューピッドになったり、一緒にマッキンリー登山に挑戦したり、美味しいハンバーグの作り方を伝授したり・・・・・・。
最初のコメントを投稿しよう!