番外編【新人デザイナーの憂鬱】-2 勘違い

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俺はわざと音を立ててカップを片付けると、二人のところへ顔を出した。 「あれ? 帰ったんじゃなかったの?」 思った通りの反応に 「ちょっとコーヒーと思ったんですけど、ソファに座ったら一瞬寝ちゃって」 苦し紛れの言い訳をする。 ……が、杉浦さんは人を疑わないところがあって、真に受ける。 「やっぱり……さっき、疲れてると思ったんだ。早く帰りなさい」 ついさっきまで弱音を吐いてたなんて、微塵も感じさせずに言うんだ。 そうして彼女の笑顔は俺に無力さを実感させる。 「……そうします。お疲れさまでした」 俺は二人を残して事務所を出た。
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