番外編【新人デザイナーの憂鬱】-2 勘違い

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「つうか、お前。さっきは橋爪の前では『大丈夫』って自信ありげに言ってたじゃねえか。その元気はどこ行ったんだよ?」 「だって……。後輩の前では弱音なんて吐けないじゃない」 手元のコーヒーはカップに注がれたまま一口も口をつけていなかった。 「ふーん。『かっこいい杉浦さん』も大変だな」 「そういうわけじゃないけど……」 「まあいいけど。俺にくらい弱音吐いて愚痴って、息抜きしろよ」 「……ありがと。そんなこと言われると今すぐ【焼肉ビール】行きたくなるよね」 「【焼肉ビール】って単語かよ」 二人の間に笑いが起こる。 こんなところに隠れて…… ……バカなことをした。 どんな顔して出て行けばいいんだ? 俺が想像していたのものとは違っていたが、 そこには確かに…… 二人の特別な時間があった。
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