その姫はドSにつき

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「喜んで…姫は何を召し上がりたいのですか?お望みの物をお望みのままに…」 胸に手を添え恭しく頭を垂れる男。その問いかけに姫は暫し考える。 「そうだな……お前がいない間ロクな物を食べていない。肉がいい。とびきりの美味い肉料理を作……何してる」 考えが決まったのか口を開く姫の言葉は途中で途切れる。 さわさわと掬うように己の髪を触るアレクに冷ややかな視線を向ける。 「……相変わらず美しい髪ですね…お暇を頂いていた間は触れられず禁断症状が出てしまいました…お許しを…」 男は悪びれる事もなくそう告げ冷ややかな視線を平然と受け止める。 ぶっちゃけ気にしていない。 うっとりとした表情で悠々とサラサラとした指通りの良い髪を触り続けている。 「その無類の髪フェチどうにかならんのか」 「どうにもなりません。それは貴方が 一番ご存じのはずでしょう?」 妖しく揺らめく紅い瞳に溜め息を付く姫は気が済んだら作れよと呆れたように返したのだった。
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