その姫はドSにつき

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その姫はドSにつき

「不味い…」 カシャンッと皿が音を立てて床へ落ち割れる。 料理人は青ざめる、恍惚とする召し使い。 様々な反応を示し双方は目の前の麗しい姫に釘付けになる。 その瞳は冷ややかそのもので凍てつく氷の柱が背中に突き刺さるような寒気を覚える。 「こんな残飯をよくこの僕に出せたな…」 「し、しかし姫!これは昨日姫が美味しいとお褒めして頂いた料理で…!」 姫の瞳から蔑みの色さえ消えた。 カツカツと靴音を響かせその料理人に近づくと急所である股間へ見えない蹴りを入れた。 「昨日美味な物が今日も美味と限らん。浅はかな料理人など料理人ではない。僕の前から消えろ。お前のような出来損ないはいらん」 泡を吹き倒れる男にクビを言い渡し顎で周りの者に指示を出す。そいつを摘まみ出せと。
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