願い

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 季節が二つほど過ぎた頃。白弥は五十鈴のある異変に気付いた。  彼女の口から吾平の名前が出てくることが極端に少なくなったのだ。  初めは喧嘩でもしたのかと思ったが、どうも五十鈴の様子はおかしい。溜め息が多くなったり、ふとした時にぼんやりすることが増えた。  何かあったのか。五十鈴の様子に白弥はさり気なく注意を払った。  そうして見えてきたのは、段々と綺麗になっていく五十鈴の姿だった。
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