散ったトマトジュースと俺と

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サユミだ。ここはサユミの家だ。マユちゃん?なぜ知ってる?サユミにマユの名前を言ったことがあったか?疑問が次々と浮かぶ。 「あらほんとお、仕留め損ねたから怖かったけど、殺せてよかったわ」 マユがひょいと顔を出した。 妻と浮気相手が、仲良く話しているのを見ている生首だけのコウタは、状況が飲み込めずにいた。 「前の、エイジくんみたいに警察に駆け込みそうにならなくてよかったねえ」 「ほーんと!サユミちゃんがコンビニ前に呼び出してくれて助かったよ」 ど、どういうことだ? 「浮気したダンナを山に埋めて失踪したことにして、保険金もらいまくりなんて、楽勝だねえ」 「うん、これからも頑張ろうね」 サユミが俺の頭を掴んで、黒いゴミ袋に投げ入れる。 ははあ、なるほど。そういうことか。 マユがサユミの頬にキスをするのを見て、夫に浮気された妻の気持ちを少しだけ理解できた気がした。
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