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原案(あらすじ)
目覚めるとそこは屋外階段の踊り場だった。
(いけない、寝ちゃった)
屋外階段で休憩中、疲れてうたた寝していたアスカは、事務所に戻った。
キッチン用品を扱う商社に入って1か月が経とうとしていた。
大学卒業後、大手商社の秘書として入社したアスカは、評価も上々だった。
優秀でかわいい後輩も増えてきた30歳。
チヤホヤされる機会も減り、仕事としてもあまり先が見えないと感じていた頃、
2年前から交際していた取引先の優秀な営業マンとの結婚が決まり寿退社した。
しばらく主婦業をして、子育てもして、ひと段落したら職場復帰しよう。
という計画だったが、間もなく離婚。
こんなはずじゃなかったが仕方ない。
新しいことをする気にもならないし、また秘書をやることにした。
まだ若い会社で、従業員はアスカを含めて6人。
料理をしないアスカは知らなかったが、国内シェアNO1の商品もあったりするらしい。
書類作成やスケジュール管理、電話に来客応対、英語も完璧。
キッチン用品とか料理の事はこれから勉強したらいい。
社長が年下と言う事だけは気に入らないが、いいとしよう。
そこで始まった秘書業務は想像と違った。
「面白いモノを海外で見つけたんだけど、今までにない売り出し方法を考えて」
「あの少数民族の調理法を手軽に再現できる器具ってないかなぁ」
「君、ロシア語できたっけ?」
え
そんなのやるの?ロシア語って何。
「あー無理だよね。じゃ、いいや」
だからって簡単に諦められるのもむかつく。
アスカの闘志に火が付いた。
コイツの鼻を明かしてやる――
天然か計算か、試すように難題をふっかける社長。
それに応えるアスカによって会社も活気づいてきた。
そんなある日。
売り出し直前の新商品がこちらの不手際で届かない。
広告も打って大々的にPRしているというのに!
このピンチをいかに乗り切るのか。
マイペースな若社長とマルチタスクな秘書、そして従業員の奮闘記。
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