短くも幸せな一生

入学式

　早くも４月になり、今日は、つよし君の小学校の入学式の日。ぽかぽか暖かくなってきた。桜も満開だ。僕もずいぶん成長したもんだ。
　パパさんから豆柴の雑種と聞いている。僕は、あまり大きくならないらしい。
　でも、心の中は、成長したつもりだ。
　朝、かっこいい服を着たつよし君とママさんが家を出て行く。僕も一緒に行きたいけど
「金太は、お留守番。」の一言で終わってしまった。
　悔しいワン。僕は、家の中でうろうろ。時々、かごの中に入って憂さ晴らしにバスタオルを体に巻きつけて噛んでいる。そのうち、ふて寝をしてしまった。まだまだ成長していない。
　お昼頃２人が帰ってきたので、ちぎれるほど尻尾を振りながら喜んで飛びついたが、ついつい調子に乗ってお漏らしをして叱られる。今日はついていない日かなあ。お昼ご飯の後、一緒にビデオを見る。
　広い場所にたくさん小さい子どもが、足をブラブラさせて座っている。みんなの前で偉そうな人が何かしゃべっている。
　次に担任の先生の紹介が始まる。担任の先生は、かわいい女の人だ。
　つよし君の姿も見える。胸に花をつけて、賢そうな顔をしてじっとしている。緊張しているのかな？でも、とってもかっこいい。ママさんの姿は見えない。ママさんは、どこかへ行ったのかな？一度画面が消えて、教室でみんなが先生の話を聞いている画面に変わる。
　そのうち、みんなさようならの挨拶をして画面が消える。
　学校というのは面白そうなところだなあ。明日、つよし君について行こう。