神様の箱

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箱に鍵は付いていない。薄茶けた木箱で、表面には文字が書いてあるようにも見えるが、掠れてしまって読めない。かぱりと開けると、ホコリ臭い臭いが漂う。巻物は留め具もされず粗雑に丸まっていた。 (家系図の様なものなのか?それとも御神体と言ったところか?) ぺりぺりと巻物を広げると、その異様さに目を奪われた。 (お札…) 巻物の内側には、全ての面が隠れるように無数のお札のようなものが貼られていた。 その、僅かな隙間から、 ぎょろ っと、目玉が動いた。
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