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「二十歳か。娘と同じ歳だ」
男はそう言った。
じゃぁ、お父さんって呼びましょうか、と答えたら、やめてくれと真面目な顔で返された。
キスはダメ、と顔を背けたら、プロなのかと苦笑された。首に両手を回し、
ぎゅっ、ってして
できる限りケナゲにそう囁いたら、大抵の男は私の願いを叶えてくれる。彼も力を込めて包み込んでくれた。私はなんだか暖かい気持になって、少しだけ泣きたくなって、もう、それだけで充
分幸せだ。本当は。
けれど、男という立場の生き物は、そうはいかないらしくて。セックスでは、女を喜ばせてナンボなのだそうで、指や舌を使って、いろんなことをしてくれた。
ごめんなさい。せっかくだけど、くすぐったいだけ。
「濡れてるね」
それはそうだ。正しい身体の反応だ。傷つきやすい部位が、保護のために防衛処置を取る。それだけのことだ。幸いなことに、私は分泌量が多いのだそうだ。そして、多いほど男は嬉しいのだそうだ。そういうものなのか、と思う。
私は、目をつぶって顔を背けた。彼はそれを羞恥と勘違いしたらしく、
「恥ずかしがるのは、スケベな証拠だ」
嬉しそうに、私の中に挿入れている指を、いっそうかき回した。痛い。
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