二章.父と子

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あの日事故にあってから少女は生死の境を何日もさまよったらしい。 そして何とか峠を越えたまでは良かったが中々目を覚まさず今はあの時から半年経っているということ。 身体の外傷は半年の間に徐々に治ってきているが、もう足は動かない事。 けれど少女はこう思った。 手はリハビリすればまた動かせるようになるかもしれないって言ってた... 手だけでも動けばまたパパを抱きしめる事が出来る。 少女は目覚めた数日後から身体中の痛みに耐えながらリハビリに取り組んだ。 父は少女の為に仕事を辞めており、毎日いられるだけ彼女の傍についていた。 少女はそれを嬉しく思っていた。 こんな身体になってしまったけど、だからこそ今父はこんなにも自分の傍にいてくれる。 なんて幸せなんだろう。
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