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一章.神と天使なる者
『ああ、私の天使、そこにいるのかい?』
『ええ、片時も離れずここにいますとも、私の神様』
『私はもう目が見えない。これはいつからだったか、それもわからない』
『大丈夫、私がそばにいますから。そんな瑣末な事気にしなくていいんですよ』
『そうか、そうか。ああ、私の天使、君はいつから私の天使だったのか』
『私が生まれたその日から。私はあなたのたった一人の天使でした』
『ああ、ああ、そうだった。君が生まれたその日から...生まれた日、それはいつの事か』
『近くはないし遠くもない。天使も神も時間なんて関係ありません、私は神様、あなたさえいれば』
『私の天使、私も君さえいれば...』
『ああ神様、あなたの存在が消えかかっています。なぜそうなったのか。おかしい、おかしい...私たちは永遠なのに、ずっとずっと共にいるはずなのに』
『...ああ幼く美しく気高い私の天使、悲しそうな声を出さないで。私は不思議と満たされているんだよ。感情が一所に落ち着かない。辛い、悲しい、嬉しい、楽しい、色々な気持ちが混ざりあって、そうであるようでそうでない...』
『私を天使にしておきながらあなたは先に行ってしまうのですね』
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