二章.父と子

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少女は何が起きたのかも分からず、次に目を覚ましたのは病院のベッドの上だった。 隣には涙も枯れてベッド脇に顔を伏せて寝ている父親の姿があった。 そしてすぐに少女はある事に気付いた。 身体中がひどく痛いのに思うように四肢を動かす事が出来なかったのだ。 なんで、なんで動かないの... パパ...パパ...! 声を出そうとしたが喉がカラカラで引き攣った音しか出なかった。 痛い...!こわい...!パパ...! 乾ききった喉とは正反対にその大きな瞳からはボロボロと涙が溢れ出た。 頭を微かに父の方へ向けると首から全身へ響くように激痛が走ったが、何よりも今は父に気付いて欲しかった。 その顔を見て、声を聞いて、暖かい腕に抱かれて安心したかった。 自分はどうなってしまったのか、なんでこんな事になっているのか、全てが分からなかった。
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