1、後悔なき転職

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翌日、坂下は妻、真紀を連れてマーダの転職相談所へ訪れた。 「では、お願いします」 坂下がそう言うと、ホイットニーは杖を手に取って目をつぶり、念じた。 「くわぁぁぁーーーーーっ!」 2人に神々しい七色の光が降り注いだ。 「これで転職の儀式は終了じゃ。遠路ご苦労じゃったの」 「はい。ありがとうございます」 坂下夫妻はホイットニーに頭を下げた。 「わしの術で修行期間は相当短くしてはおいたが、それでも3ヶ月はかかるからの。頑張りなされよ」 坂下夫妻はホイットニーの言葉に対し、無言で頷いた。 「ではお会計はこちらです」 セーファスに促され、別のテーブルへと向かう。坂下は財布からクレジットカードを出し、セーファスへと差し出した。セーファスはカードを機械にスキャンすると、出てきた伝票のうち2枚を差し出した。坂下はそのうちの1枚にサインをしてセーファスに返すと、一礼して転職相談所をあとにした。 「ありがとうございました」 セーファスは2人の後ろ姿を見送った。 2人が通る道の先には希望が待っている。そんな気がした。
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