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翌日、坂下は妻、真紀を連れてマーダの転職相談所へ訪れた。
「では、お願いします」
坂下がそう言うと、ホイットニーは杖を手に取って目をつぶり、念じた。
「くわぁぁぁーーーーーっ!」
2人に神々しい七色の光が降り注いだ。
「これで転職の儀式は終了じゃ。遠路ご苦労じゃったの」
「はい。ありがとうございます」
坂下夫妻はホイットニーに頭を下げた。
「わしの術で修行期間は相当短くしてはおいたが、それでも3ヶ月はかかるからの。頑張りなされよ」
坂下夫妻はホイットニーの言葉に対し、無言で頷いた。
「ではお会計はこちらです」
セーファスに促され、別のテーブルへと向かう。坂下は財布からクレジットカードを出し、セーファスへと差し出した。セーファスはカードを機械にスキャンすると、出てきた伝票のうち2枚を差し出した。坂下はそのうちの1枚にサインをしてセーファスに返すと、一礼して転職相談所をあとにした。
「ありがとうございました」
セーファスは2人の後ろ姿を見送った。
2人が通る道の先には希望が待っている。そんな気がした。
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