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「良いなぁ。私も恋したいよ」
そう言いながら、泡をブクブクさせて鼻の上で顔を沈めていく高橋さん。
「やっ、だからそういうんじゃ……」
「はいはい分かった。おばちゃんは何も言わない。見てるだけだから安心して。……あぁんでも言いたいっ!今すぐ叫びたい!」
「だっダメですって。絶対に言っちゃダメですからっ」
はいはいと言って手で私を軽く制しながらも彼女のニヤニヤは中々収まらない。
……恥ずかしい。
会った直後の挨拶のよそよそしさで嫉妬したのがばれてそう。
「あの、高橋さんは?……叶多くんの事、その……好きとかじゃないんですか?私、二人のお邪魔なのかなって……」
声を落として彼女に尋ねる。
「やっだ、やめてよ。あんなお子ちゃま……あ、失礼。でも、私年下には興味無いの。渋いおじさんが好みだから」
けらけらと愉快そうに笑う彼女を私は熱いお湯を我慢して潜って消えてしまいたいほど恥ずかしかった。
「叶多だってそうよ。昔から私を女扱いしてないもん。失礼しちゃうわよね」
ふふふっと可愛らしく笑う彼女に遠慮がちに笑みを返した。
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