プロローグ

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「で、久し振りにここに来たから道に迷ってさぁ。でも、お陰で見つけたのよ。美味しいアップルパイ。山カフェって言うんだって、そのお店」 久し振りに再会を果たしたばかりなのに、その後輩はわざわざ訪ねてきた私の事を労う前にその言葉に素早く反応を見せる。 「えっ山カフェ?高橋さん、今すぐそこ連れて行ってください」 「えっ?今すぐ……って、私今行って来たばかりなんですけど?明日にしよう、明日。ちゃんと連れて行ってあげるから、ね?」 「いや、明日じゃ駄目なんです。ほら、行きますよ。案内してください」 叶多は普段ふにゃりとしているけれど一度こうと決めると中々曲げない頑固者。 で、結局いつも年上である私が折れてあげるしか無い。 全く、少しは先輩を労れ! ……それにしても、そんなにカフェが好きだったのか?こいつは。
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