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今日は、昨日とは違って雲一つ無い青空が広がっている。
「花の観察日和だ。」と言って、冬美は早起きしていた。
いつにも増してウキウキしているようにも見えた。
そして桜屋敷に辿り着いたとき、私の嫌な予感は当たることになる。
門の前に、あのティディベアが座っていたのだ。
「おはよう。外に出てきたんだね。」
冬美は嬉しそうにティディベアに話しかける。
「メモが落ちてる。どれどれ・・・・。昨日は楽しかったですね。久々にこの屋敷にお客さんが来たので、僕はとても嬉しかったです。今日は僕のお気に入りの音楽を一緒に聴きませんか。昨日と同じ場所で待っています・・・だって。行ってみようよ。お庭には後で行こう。」
やはりこれは幽霊の仕業に違いない。
幽霊など今まで信じたことはなかったが、こんなに不思議なことが続いたのなら、幽霊の仕業以外に考えられない。
幽霊以外だと人間の可能性もあるだろうが、昔からこの桜屋敷には誰も近付かないという伝説のようなものが私の中にあったため、その考えは初めから消えていた。
色々な考え事をしている間に、さっきまで私の隣に居た冬美が居なくなっていた。
きっともう中に入ってしまったのだ。
止めようとしていたのに遅かった。私は屋敷の中へと急いだ。
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