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今日はケーキがあるため、自転車ではなく歩いて桜屋敷に向かっていた。
着くまでの道で、私は冬美と、学校のことや友達のこと、それから将来のことを話した。普段はこんなこと滅多に話さない。
だから今、冬美が思っていることを聞けて、前よりも距離が近くなったような気がした。冬美は友達が多いようで、今は学校でたまごっちのアニメが流行っていることを教えてくれた。
それから将来の夢は、幼稚園教諭だということも教えてくれた。
冬美が大きくなったらできる限りサポートをしてあげたいと思った。
桜屋敷に着くと、冬美は走って先に庭の方へ行ってしまった。
サプライズの前に先に花の観察を済まさなければならないのだ。
私は当分の間、来られなくなるだろう桜屋敷の景色を一つ一つ目に焼き付けながら歩いていた。
夏休みが終わればすぐに秋が来て、ここの花も徐々に枯れていってしまう。
そう思うと何だか寂しかった。
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