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2.行きつけのバーにて
「いらっしゃい、あ、いぞうくん」
バーカウンターの中で迎えてくれた彼女の名はゆうこ。いぞう、行きつけのバーのオーナーである。年齢は30代後半だが、実際の年齢よりかなり若く見える、スラっとした美人。
「昨日、池田くんと黒田くんきてたよ。いぞうくんが作ったソフトの動きがおかしいって文句いってた。」
池田と黒田というのはいぞうの会社の同僚である。
「僕のプログラムがおかしい?まあ完璧な僕でも、たまにはミスくらいするさ」
そう言い、タバコに火をつけるいぞう。
「ゴホッッ」
「フィルターに火つけてるよ。なんかね、いぞうくんのソフトの終了ボタン押したら、Windowsが終了するって。Windows終了させてんじゃねーよ!!って怒ってたよ。」
「あいつらには、余裕がない。僕の遊び心であいつらのストレスを緩和してやってるんだよ」
「逆にストレス溜まっていくよ。絶対に。何にする?」
「ターキーをロックで。いや、やっぱりC.Cにしよう。今日はスコッチの気分だ」
「何か腹たつから、最初からC.Cって言ってくれる」
そう言ってゆうこがグラスに氷を入れ出した時、一組の若い男女が店に入ってきた。
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