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「すまない。聞くつもりはなかったんだが、聞こえてしまった。ほっとけなくてね。力にならせてくれないかな?」
男に話しかけるいぞう。
「おじさん。誰なんすか?」
「この店の常連客だ。ただの酒好きだが、これまでいろんな経験をしてきた。話の内容から、力になれるんじゃないかと思ってね。」
(大した経験してなくて、独身で彼女もいないくせに何言ってんだよ。あー心配。。。)
ゆうこの心配をよそに、男女はいぞうに頼ろうとしていた。
「本当ですか??私たち、どうして良いかわからなくて。。。」
「彼女、すべて信じれなくなった。死にたい。って言ってるんです。僕たちも、思いつく限りの言葉で元気づけようとしたんですが、ダメで。。。」
「こういうのはね、言葉じゃないんだよ。大切なのは気持ちなんだ。心の底から心配してる君たちの気持ちが伝われば、彼女は前を向けるはずだ。」
「でも。どうやって。。。」
不安げな女にいぞうが言う。
「じゃあ、君たちの気持ちに、おじさんの気持ちものせていいかな?ダメ男に都合いいように遊ばれた純粋な女の子が、不幸になっていいわけがないんだよ。」
「おじさん。。。(涙)」
「お願いします!!ミカを助けてください!!返信してあげてください!!」
そう言って女の方がいぞうにスマートフォンを渡す。三人のグループLINEは、ミカという子からの二人へ向けた送信で終わっていた。
(二人が友達で良かった。今まで本当に楽しかったね。今までありがとうね。ごめん、私、やっぱりダメだ。。。私、いくね。。。)
少し考えるいぞう。そして、LINEを送信した。
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