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「知ってる。けど、俺の方が好き」
もう未波は、どんどん楽しくなってきた。
「ええぇ、どうして、そんな事わかるの」
ちょっと不服そうに膨れてみせると、また辻上が小さく唇を寄せてくる。
「だって俺、お前がスニーカー履いてきた日から惚れてるから」
「何、それ?」
「小っちゃくて、色々出来なくて。
でも一生懸命なお前、めちゃくちゃ可愛かった」
「でも、あの頃のレイ、すごく無愛想だったよ」
「それは、智樹が、お前に惚れたってのもすぐに分かったし……。
何より、メール室の面々に俺の気持ちを悟られたくなかった」
なんとも、照れ屋な彼らしい。
だから今度は、未波から小さくキスをした。
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