14 酔わされて

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「知ってる。けど、俺の方が好き」 もう未波は、どんどん楽しくなってきた。 「ええぇ、どうして、そんな事わかるの」 ちょっと不服そうに膨れてみせると、また辻上が小さく唇を寄せてくる。 「だって俺、お前がスニーカー履いてきた日から惚れてるから」 「何、それ?」 「小っちゃくて、色々出来なくて。 でも一生懸命なお前、めちゃくちゃ可愛かった」 「でも、あの頃のレイ、すごく無愛想だったよ」 「それは、智樹が、お前に惚れたってのもすぐに分かったし……。 何より、メール室の面々に俺の気持ちを悟られたくなかった」 なんとも、照れ屋な彼らしい。 だから今度は、未波から小さくキスをした。
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