13 別れの曲 (つづき)

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そして翌日は、守衛のありがたい勘違いに便乗。 しかしその日の守衛室に、あの守衛の姿はなかった。 「あの、すみません。ラウンジで……」 しかし伝達は、きちんとなされていたようだ。 おずおずと切り出すと、当番の守衛がニコリと笑う。 「聞いてますよ。ここに、署名していってくださいね」 そして、いつも通りに、すんなりと通された。 エレベーターを待つ時間が、やけに長く感じられた。 そして、エレベーターで最上階へ運ばれる間に、未波の鼓動も速さを増す。 正直、最初にかける言葉は浮かんでいなかった。 それどころか、ここに来ると決めた昨日の夜は、 一晩中浮かんでこない言葉を探して、ほとんど眠れていない。 そして、到着した最上階で聞こえてきた静かな旋律を耳に、 未波の胸はギュッと詰まった。
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