15 ベイビーSOS

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未波は、切れたスマホを手にしたまま、小さく片目を細めた。 どうして、あんなに焦ってたのかしら。 例えば、何かの理由で小さな子供を預かったとしても、 普段の辻上なら、ファミレスに連れて行くくらいの知恵は回るはず。 だが、電話の向こうの彼は、見たこともないほどの慌てぶりだった。 しかし、未波の所にSOSをしてきたということは、 疚しい存在という訳でもないのだろう。 でも――。 「とにかく」 掌にポンとスマホを打って、未波は立ち上がって呟く。 「そこら辺は、じっくりこれから聞きましょうかね」 そして、フッと不敵に片頬だけで短く笑った。
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