27人が本棚に入れています
本棚に追加
「まぁ、お袋は大した事でもないらしいんだ。
けど、まさかそのお袋と二日も一緒にいさせて、風邪でも移したら不味いからな」
「それで、レイが預かることになったわけね」
うん。
頷いたまま、疲れたように辻上が項垂れる。
未波は、彼の手からカップをそっと取り、自分のと一緒に目の前の座卓に置いて、項垂れる辻上の頭を抱き寄せた。
「なんか、随分と大変だったみたいね」
はあ……。
素直に、未波の肩に顔を埋めるようにして、辻上が大きな溜息を一つつく。
「実家帰ったら、大泣きしてるコイツとオロオロしてる弟がいてさ」
とにかく母親を近くの診療所に連れて行くよう弟に頼み、
彼自身は、母親から取り替えるように言われたオムツ替えにかかった。
最初のコメントを投稿しよう!