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13 別れの曲 (つづき)
結局、その週末はおろか、それから一週間、彼からの連絡は全くなかった。
そして未波もまた、連絡をしていいものか迷い続けた。
お蔭で、胸の中に浮かぶモヤモヤは、
日を追うごとに澱のように心の底に重なっていく。
それなのに、自分が傷つけた心への償いの答えは一向に見えてこない。
しかも、翌週の週末には、彼の試験結果が出る。
出来ることなら、その時までには仲直りをしたい。
いや、せめて彼に何の心の負担もなく、その日を迎えて欲しい。
だが、やっぱり未波にはどうして良いか分からず、迎えた金曜日。
帰ろうと、ビルのエントランスへ出た時、
入り口脇に立つ、顔馴染みになった守衛に呼び止められた。
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