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警察官は何度も俺たちに昨日何があったのか? 香を恨んでいた人はいないのか?と聞いてくる。
俺たちは同じ答えを繰り返すだけ。
「都市伝説が本当なら、次は志村君が狙われるの?」
刑事さんが嫌味っぽく言う。
俺たちは顔を見合わせた、でも、誰も返事をしなかった。
「今日のところはこれで帰りますが、また明日来ますから」
警察官はそう言って松やんの家を出ていった。
「翼を殺させるわけにはいかない、みんなで翼を監視していようぜ」
「うん、都市伝説を信じているわけじゃないけど、翼にまで何かあったら怖いもん」
松やんの提案に、由美が頷き、みんなで俺を動画に撮りながら見ていてくれる事になった。
2時間が過ぎ、恐怖による緊張が少し溶けてきた。
未来はずっと俺の手を握っている。
俺の周りにいるのは未来、そして仲間だけ。
そんな中、突然、首を誰かに絞められた。
うー、うー、
息が苦しい、声が出ない。
必死で身体を動かしても、首を絞める手にどんどん力が入っていく。
もうダメだと思った瞬間、かっと目を見開いた。
目の前には誰もいない、首を絞めているはずの手さえ見えない。
俺が苦しんでいるのを未来達は全く気づいていない。
もうダメだ……意識がなくなっていく……
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