ラジオの神様

宇宙船から帰還後のこと

　翌朝、八時に出勤する淳さんを玄関先で見送ると、すぐさまリビングに戻った。ダイニングテーブルに置かれた淳さんに借りたノートパソコンを開いた。インターネットにつなぎ、求人情報を検索する。気になる記事をチェックするも、ただ文字を眺めているにすぎない。
　求人情報のサイトを閉じ、検索サイトに開きなおす。検索ボックスに自分の名前である、『神宮寺初音』を入力してみた。検索ボタンをクリックすると、数秒で結果が現れる。一番上には『浜渕信之のエビバデ☆ゴーゴーラジオ』と表示された。下には【番組終了のお知らせ】とわたしの名前が綴られている。二番目はラジオ番組関係の掲示板らしく、あまりに嫌な言葉が羅列した説明が載っており、開きたくもなかった。
　このでしゃばり。ブス。浜ブチさんとできてるんかよ。調子に乗ってんじゃねえよ。まだこの言葉が体の片隅でくすぶっている。