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ウチにもこんな立派なものがあればいいのにな、と水色の髪の毛にツインテールの姿をした人形を指でもてあそびながら美羽は思った。
うちに帰ると知らないオジサンと母が並んで座っていた。困惑した美羽に母は手招きする。しぶしぶ母の横に座ると、
「美羽ちゃん、誕生日おめでとう。プレゼントだよ」
知らないオジサンから茶色くささくれた手から包装紙と赤いリボンがくくりつけられた大きな箱を渡される。
「開けなさい」
「でも、知らないオジサンだし」
「美羽は知らなくてもお母さんが知っているから大丈夫」
母に促され、美羽はしぶしぶ包装紙を破る。中からはCMでやっていた黄色い髪の毛のツインテールの子と木の形をしたおうちだった。
「気にいったかな」
髪の毛の少ないオジサンは顔をしわくちゃにさせていたが、美羽は黙っていた。
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