追憶のレプリカ

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 いつも仕事に行く前には母とお風呂に入ることが習慣だった。今日はたくさんのことを覚えたし、御屋敷や自分の家の往復で汗をいっぱいかいて体が疲れていたけれど、充足感はその分あった。 「美羽、今日は機嫌がいいわね」 「うれしいことがあった」 「どんな?」 「宝物をもらった」 「そうなんだ」 「お母さんはどんな夢があるの?」  美羽は体を洗っている母に向かって聞いてみた。 「夢ねえ。美羽と美紅とお母さんの三人で広くて大きな家に住むことかな」 「そうなんだ」  母はそういってニコリとほほ笑んだ。美羽は母の願いをかなえてあげたくなった。
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