夏の思い出

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一久が、どんどん深いところへ連れて行くではないか。 ちょっと深すぎるんじゃない? 水も冷たい。 ビーチパラソルが、小さく見えるし、人もまばら。 遊泳禁止の印が、すぐ先に見える。こんなところまで来て大丈夫なの? だんだん不安になってきた。 「一久、戻ろうよ。こんな深いところ怖いよ」 「大丈夫だって」 「やだっ、連れて帰って」 「俺がいるのに怖いのかよ」 「絶対離さないでよ。こんなところから一人で帰れない」 「泳げないのか」 「お、泳げるよ。10メートルくらいなら」 何を企んでいるのかニヤッと笑い。 「連れて帰ってやる代わりに、キスさせろ」 「えっ」
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