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「社長、お疲れ様です」
正面にいた男性が近づいて来る。一久より少し年上な感じ。顔が赤いのは、飲んでいるせいなのか、それとも日焼けなのか。
「それ、どうした」
男性の担いでいるビール箱を見て一久が尋ねた。
「内田社長の差し入れです。あと、岩田社長から今年も日本酒樽で頂きましたよ」
「おっさん連中、もう来てんのか」
「はい、社長はまだかって、さっきも聞かれました」
そう言って男性は、一久の後ろに視線を向けた。
一久は、ちょっと渋い顔をして見せ。
「相手しないと煩いんだよな」
私の手を握ったまま、パラソルの下でプラスチックカップに注がれた生ビールを飲んでいるおじさんたちの所へ向った。
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