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戻ってくると、誰が持って来てくれたのかテーブルには、焼き肉や焼きそばが手つかずのまま置いてある。
三人は、仕事の話に夢中の様子。
あそこの現場は、周辺に車待機する場所が少ないとか、役場の絡みで値段がきついとか、更地になった土地をどこが買ったとか、市民病院の入札がどうとか、そんな話。
黙って、目の前に生ビールを置くと三人の腕が一斉に伸びてくる。
「そう言えば、一久」
「はい」
内田社長は、胸ポケットに入れていたタバコを取り出した。
「倉庫建設の誘導断ったらしいな」
「いえ、他の奴に行かせるって返事しただけで、断ってはいませんよ」
「それでか。俺から頼んでくれって、天野ちゃんが泣きついてきたんだよ」
一久は、苦笑い。
「天野さん、きたねぇな。内田社長に頼むなんて」
「今回の日程、かつかつだからな。しかも納期遅れるとペナルティ食らうし、そりゃ必死だろ」
「ペナルティなんてあるの」
一久が頷く。
「俺ら材料屋には関係ないけどな」
「お前が忙しいのは分かってる。けど、助けてやってくれないか」
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