第八席 日用品連続盗難事件

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「まさか朝七時から八時に、サービスの至らない喫茶店にいた理由も」 「お気に召すターゲットを、窓際から物色していたのだ。  ちょうど小学校の、登校時間にあたるわけだかなら。  ふん、立地がいいからとはよく言えたものだ」 「では早速、警察へ通報しましょう」  いそいそとブレザーのポケットから、取り出したスマホを私は制した。 「まだ決定的な物証とは言えない。  拾った物だ、と言い抜けられたら到底立ちうち出来ないだろう。  その場合、蘇芳や小学生、そして私達にも報復の恐れがある」 「じゃあどうしますの?」 「これから私は本紫に連絡を取る。  家に潜入し、決定的な証拠を掴むのだ」 「無茶よ。  お願いだから、危ない真似はしないで」 「スマホを持っていくから、大丈夫だ。  危なくなれば、すぐに警察を呼ぶさ。  それに本紫が、彼女の住所調査を依頼した理由は未だ不明だ。  理由を偽って、小鷹女史に依頼するような奴だぞ。  きっと何か企んでいるはずだ。  私達が巻きこんでしまった彼女を、放っておいてもよいのか」  それは、と雷花姉ぇが言い淀む。 「上手くやるさ。  とにかく家に帰って準備をすすめる」  小鷹女史は、五時を過ぎても帰宅していなかった。  私は小鷹女史の部屋に失礼し、机の引き出しからあるものを失敬した。  本紫とはすぐに連絡が取れた。  二人きりでもっと話したい、という呼び水にいとも簡単に乗ってきた。
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