第八席 日用品連続盗難事件

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 この顛末を雷花姉ぇに話すと、きつく叱られてしまった。  タクシーで家へ帰ったのが、夜九時なので怒られるような気はしていたが。  時間をかけて風呂に入り、温めた夕食を平らげる。  体が隅々まで温まり、ようやく生き返った気がした。 「それにしても、よく帰してくれましたわね」  気を使ってくれたのか、雷花姉ぇが紅茶を沸かし始めた。 「そんなわけがあるか。  当然、脱出したのだ」 「でもどうやってですの?」  私は雷花姉ぇの紅茶で口直しをすると、本紫との立ちまわりを話し始めた。 「まず私は、奴のパソコンを探し出した。  そして小鷹女史愛用のキーロガーを、ダウンロードしておいたのだ」 「キーロガーってなんですの?」 「キーボード経由で入力された信号を、逐一記録するソフトウェアだ。  小鷹女史は、万一のバックアップとして使用している。  最も本紫のソフトは、設定を変えておいた」 「どうなりますの?」 「私のパソコンまで、自動でログを送信する機能をオンにしておいた」 「それでは私的なメールもパスワードも、筒抜けではありませんの!」 「あくまで自衛のためだ。  次に窃盗事件が起きれば、全てを警察に知らせるとメッセージを残してきたからな」  私は紅茶を飲み、喉を潤した。
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