第八席 日用品連続盗難事件

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「だから私は逆に睡眠薬入りミルクティーを作り、奴に飲ませることに成功した。  まずティーポットには、薬入りのミルクを捨てた。  パック内の新鮮なミルクを、私のコップに移し替えて奴の目前で飲み安心させた」 「でも薬を入れたのなら、味の違いでバレるはずですわ」 「だから砂糖をたっぷり入れて、ごまかしたのだ。  おかげで私が目覚めた後も、奴は机に突っ伏して眠りこけていた。  そこでUSBを回収。  家を出て、流しのタクシーに乗り込んだというわけだ」 「お金を出してまで、子どものハンカチを欲しがるなんて。  奇特な方もいますのね」 「その件だがな」  私は温めていた話を切り出した。 「今しがた、奴がパソコンで出品の手続きをしていた。  宛先は近くの雑居ビル。  住所から見て私書箱ではあるが。  到着は時間指定で、明日の18時になるそうだ。  さてどうする?」  当然のように翌日の放課後、私達は雑居ビルの見張りについた。  17時頃から張り込んだが、人の出入りは全く無かった。  50分を過ぎた頃、宅配業者が一人入りすぐに出て行った。  間違いなく、注文の品が届いたのだ。  更に待つこと20分、体がすっかり冷え切った時だった。  ベージュのトレンチコートを纏った、細身の人物がビルへ入った。
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