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 違っているのは、服装が甲冑ではなくカジュアルなジーンズにシャツというスタイルだということぐらいだろうか。本当に、夢の中から飛び出してきたのではないかと思ってしまう。 「あの、私の顔に何かついていますでしょうか?」  まじまじと顔を見つめる秋良に、戸惑ったように首を傾げておずおずと問いかけられた声も、孝則に似ている気がする。夢の中の声の質などわかるはずもないのだが。  と、そこまで考えてやっと秋良は初対面の人間にぶしつけな視線を送っていた事に気がついた。 「いや、悪い。ちょっと知り合い……に、似てたもんだから」  嘘ではないが本当でもない微妙な理由だと自覚しつつ、秋良はそれ以上の言葉を見つけられないまま目の前の男性に謝る。  理由はどうあれ、自分が見知らぬ他人にこんな風に凝視されたら困惑するのは確かだったから。 「いえ、こちらこそ突然申し訳ございませんでした」 「えっと、理由とか聞いてもいいか? いや、いいですか?」  よほど老け顔でもない限り、普通に見れば相手が年上だろうことはわかっていたのに、思わず言葉遣いが気軽なものになってしまい、慌てて言い直す。  そんな秋良に男性は気にした風もなく、ふわりと微笑んだ。 「お気遣いなく、そのままで」  夢の中で出てくる部下の孝則に似ているから、というだけではない。     
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