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 夢の中の彼らは、それでも幸せそうではあるのだけれど。 「気分転換でもしに行くか」  上半身を起こしながら頭上にある窓のカーテンを開けると、外は雲ひとつない青い空が広がっていた。  赴任までは結構な余裕のあるスケジュールが組まれていた為、引っ越してきたばかりの部屋も大方片付いた。どうせ着任するのは明日からだ、つまり今日は一日暇を持て余す予定だった。  決めてしまえば、今回の赴任を機に一人で暮らす事になった秋良を邪魔するものもない。  ベッドから降りて、ジーパンとTシャツという可もなく不可もなくのただの普段着に着替えながら洗面所へ向かい、遠出をするわけでもなく近所を散策するだけのつもりだったので、軽く支度をしただけで部屋を出る。  太陽はまだ頂上へは到達してはいないが、朝と呼ぶには多少遅い時間でもあり、ゆっくりし過ぎたかと若干反省しながら、朝食兼昼食を食べる場所を求めつつ近くを歩いてみる事にした。  今まで秋良の住んでいた場所は、都会の中心と言っても過言ではない場所で。周りに緑こそ少ないものの、徒歩圏内でほぼ全ての事は用足りるような便利な所だった。  祖父の起業した商社の成功の恩恵を受け、何不自由なく過ごしてきたと言っていい。     
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