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「ずっと胸ん中で燻っていたものを、はっきりさせたくて、俺……」
そこで言葉を止めた翔ちゃん。
「はっきりさせたくて、何?」
「ん」
翔ちゃんはじっとあたしの方を見つめていた視線をすっとそらして、小さく息を吐く。
「俺、つい、出来心で……陽菜に、キスした」
「え」
一瞬何を言われたのかわからなくて、呆然としてしまったけれど、その意味に気づいてはっとする。
そういえばあのとき、俊ちゃんがキスしてきたと思っていたのに、シャワーの音も耳に届いてきていて、現実なのかなぁ夢なのかなぁとふわふわした気持ちでいたのを覚えている。
……それが、翔ちゃんだったってこと?
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