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「陽菜、どうしたんだ？」
あたしが泣いていることに気付いた俊ちゃんは、あたしの顔を覗き込んで、親指で涙を拭ってきた。
「……ごめんね」
「何で謝るんだ？」
「あたし、本当に陵のことが好きだったの」
「ん」
こんなことを俊ちゃんに言っても仕方がないのに、なぜか口が勝手に言葉を紡ぎ出していく。
「俊ちゃんのことの方が好きになっただけで、陵を嫌いになったわけじゃなかった」
「ん」
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