119人が本棚に入れています
本棚に追加
「別れてからも、陵を傷つけちゃったことが本当に辛くて。……ずっと胸が痛かったっ」
「……」
「このクッションも、スリッパも、膝掛けも、マグカップも、……全てが陵との時間で、あたし、幸せだったんだ」
「……」
「ごめんね……、……陵……」
一気に話し終えたら、また涙が溢れてきた。
「陽菜」
「陵との時間も凄く幸せだったけど、……今はもう、俊ちゃんとの時間しか、考えられない」
そう言うと、俊ちゃんはあたしをぎゅっと抱き締めた。
「俺だって、もう陽菜との時間しか考えられねぇよ」
俊ちゃんの胸に顔を埋めて、涙が枯れるまで泣いた。
最初のコメントを投稿しよう!