翔の悩み

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「別れてからも、陵を傷つけちゃったことが本当に辛くて。……ずっと胸が痛かったっ」 「……」 「このクッションも、スリッパも、膝掛けも、マグカップも、……全てが陵との時間で、あたし、幸せだったんだ」 「……」 「ごめんね……、……陵……」 一気に話し終えたら、また涙が溢れてきた。 「陽菜」 「陵との時間も凄く幸せだったけど、……今はもう、俊ちゃんとの時間しか、考えられない」 そう言うと、俊ちゃんはあたしをぎゅっと抱き締めた。 「俺だって、もう陽菜との時間しか考えられねぇよ」 俊ちゃんの胸に顔を埋めて、涙が枯れるまで泣いた。
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